プログラミングができなくてもサービスを作れる時代になった?
以前は数十万円と数か月が必要でした。今は自分で作り始められます。何が変わって、何が変わっていないのかを整理します。
数年前まで、サービスを1つ作るには数十万円と数か月が必要でした。今は、思いついたその日に動くものができます。ただし「誰でも何でも作れるようになった」わけではありません。何が本当に変わって、何が変わっていないのかを整理します。
まず結論
結論として、プログラミングができなくても、小さなサービスなら自分で作って公開できる時代になりました。
ただし正確に言うと、「誰でも簡単にどんなものでも作れる」わけではありません。作れる範囲が大きく広がり、つまずく場所が移動したというのが実際のところです。
以前の作り方と、今の作り方
まず、何がどう変わったのかを見てください。
これまで
- 1アイデアを考える
- 2エンジニアを探す
- 3作りたいものを説明する
- 4数十万〜数百万円を払う
- 5数週間〜数か月待つ
いま
- 1アイデアを考える
- 2AIに「こんなものを作りたい」と相談する
- 3その日のうちに動くものができる
以前は、アイデアを思いついてから形になるまでに、お金と時間と人の3つが必要でした。
とくにきつかったのが「エンジニアを探す」という段階です。知り合いにいなければ、そこで終わりでした。会社に依頼すれば数十万円から数百万円かかり、個人が気軽に試せる金額ではありません。
今は、その日のうちに動くものを見ることができます。
何が変わったのか
1. 試すための費用がほぼゼロになった
以前は「試しに作ってみる」ができませんでした。数十万円かかるものを、試しにやってみることはできません。
今は、思いついたその日に形にできます。うまくいかなかったら捨てればいいという進め方ができるようになりました。これは大きな違いです。
2. 説明する相手がいらなくなった
エンジニアに頼む場合、自分の頭の中にあるものを、正確に言葉で伝える必要がありました。ここで意図がずれると、違うものができあがります。
今は、自分で作りながら「ちょっと違う」と思ったらその場で直せます。
3. 待ち時間がなくなった
修正を頼んで数日待つ、ということがなくなりました。
何が変わっていないのか
ここが大事です。変わっていないこともあります。
1. 何を作るかは、自分で決める必要がある
AIは作るのは得意ですが、何を作るべきかは判断できません。 「便利なものを作って」では何も出てきません。
むしろ、作るのが簡単になったぶん、「何を作るか」の重要度が上がりました。
2. できたものが正しいかは、確認が必要
AIが作ったものは、見た目は動いていても中身に問題があることがあります。
65%
AIに任せて作られたアプリのうち、調査で弱点が見つかったものの割合です。作った本人が気づいていないケースがほとんどでした。
3. 大きくなると専門知識が要る
小さく作る分には自分でできます。でも人がたくさん使い始めると、話が変わります。
自分とAIでできることが多い
- 自分や友達だけで使うツール
- 学校や会社の中だけで使うツール
- アイデアを試すための試作品
- 利用者が少ない小さなサービス
専門家の知識が重要になる
- 他人の個人情報を預かる
- お金のやりとりをする
- 利用者が一気に増えたとき
- 動かなくなったときの復旧
ノーコードツールとは何が違う?
「コードを書かずに作れる」という道具は、以前からありました。いわゆるノーコードツールです。
大きな違いは自由度です。
| ノーコードツール | AIで作る | |
|---|---|---|
| 作り方 | 用意された部品を組み合わせる | やりたいことを言葉で伝える |
| できること | ツールが対応している範囲まで | 範囲の制限が少ない |
| 引っ越し | そのツールから出るのが難しいことが多い | 作ったものは自分の手元に残る |
| 学べること | そのツールの使い方 | 仕組みそのものの考え方 |
ノーコードツールが悪いわけではありません。やりたいことがツールの範囲に収まるなら、そのほうが速いこともあります。
ただ「ちょっと違うことをしたい」と思ったときに、ノーコードでは壁にぶつかります。AIで作る場合、その壁が低くなります。
実際に、どう頼むのか
「作れる時代になった」と言われても、頼み方がわからないと動けません。最初に打つ指示はこれだけです。
◯◯を作りたいです。プログラミングは初めてなので、進め方も教えてください。
作りたいもの:
・(機能を3つまで箇条書き)
まずは自分のパソコンの中で動く状態にしてください。
専門用語は一切要りません。 これで動くものが出てきます。
そして、他の人に使ってもらう段階になったら、次を追加します。
このアプリのデータを保存できるようにして、インターネットに公開したいです。
無料で始められる方法で、手順を1つずつ教えてください。
保存には Supabase、公開には Vercel が使われることが多いです。どちらも無料の範囲があり、1人で運用しても管理の手間がほとんど増えません。
「無料で始められる方法で」を必ず入れてください。 これがないと有料前提の構成を提案されることがあります。
どこまでできて、どこからできないか
目安を挙げます。
自分でできることが多い
- 自分や友達数人で使うツール
- 学校や会社の中だけで使うもの
- アイデアを試すための試作品
- 使う人が少ない小さなサービス
専門家に相談したほうがいい
- 他人の個人情報を預かるもの
- お金のやりとりが発生するもの
- 使う人が一気に増えたとき
- 止まると誰かが困るもの
この線引きがわかっていること自体が、これからの実力になります。 作れることより、判断できることのほうが価値が高くなっていく、と考えています。
よくある質問
Q. 結局、プログラミングは勉強しなくていいのですか? A. 文法を覚える必要はありません。ただし「データがどこに保存され、誰が見られるのか」くらいは知っておくべきです。これがわかるだけで、危ない作り方をかなり避けられます。
Q. ノーコードツールとどちらがいいですか? A. やりたいことがそのツールの範囲に収まるなら、ノーコードのほうが速いこともあります。範囲を超えそうならAIで作るほうが自由です。
Q. 作ったものは、後から人に引き継げますか? A. 引き継げます。作ったものは自分の手元に残るので、あとから専門家に見てもらうこともできます。
Q. 何から始めればいいですか? A. プログラミング未経験から、自分のサービスを公開するまでの進め方に、5段階の手順をまとめています。
まとめ
- 小さなサービスなら、プログラミングができなくても作って公開できる
- 変わったのは、費用・説明の手間・待ち時間
- 変わっていないのは、何を作るか決めること、確認すること、公開判断すること
- ノーコードとの違いは自由度。壁にぶつかりにくい
- どこまで自分でやり、どこから相談するかの線引きが大事
具体的な進め方はプログラミング未経験から、自分のサービスを公開するまでの進め方にまとめています。